禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「いくら欲しいの?」

「100万でいいよ。」


「そんなの、あたしに用意できるわけないでしょ?」

「お嬢様なのに?」


「それは、神楽であって、あたしじゃない。」



飼われてる人形なだけ。



「だったらさぁ、体で払ってもいいよ?お金期待してさ、怖いお兄さんから借りちゃってるんだ。神楽さんなら、一晩でなんとかなるよ?」



そっと耳打ちした。



「でも、そのディスクが本物って限らないでしょ?」

「あげるよ。コピーだから。見てから考えてよ。」



あたしの手の中にディスクを握らせると、そのまま非常階段を下りていった。



しばらく体は動かなかった。

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