禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「買った覚えはない。人形になりたいのか?」

「違うの?!」



パッと神楽の顔を見た。



「ロリコンではないからな。」

「じゃあ、どうして?」


「気づけ!!」

「分かんないから聞いてるの!!」



ムッと膨れた。



「いい加減、素直になれ。」



宮埜がエレベーターにもたれてる。



「素直だ?」



ジロッと宮埜をにらんだ。



「神楽はひねくれてるから。本当のこと言わないと、どこかの男に持っていかれるぞ。」



指差した先には、心配そうな晴沢と英里奈が立ってる。



「チッ…面倒だな。」



小さく舌打ちをして、つぶやいたのが聞こえた。

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