禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
授業はつまんなかったけど。



放課後は楽しみにしてた自由時間。



英里奈はメイクに気合が入ってる。



トイレの鏡で、ジッと自分を見つめて。



「よしっ!!」



気合を入れてた。



3人で遊びにいくなんて、久しぶりだ。



今日は、どこに行くんだろう?



浮かれ気分で宮埜の車に乗り込もうとした。



「……美緒?」



微かに聞こえた女の人の声。



美緒って聞こえた?



…昔のあたしの名前。



よくある名前だし。



気のせいかな?



だけど、なんとなくだった。



後ろを振り返ったの。



「……。」



まさか?!



嘘だよね?


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