禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
---今日は土曜。



神楽が珍しく家にいる。



ちゃんと毎日がここにある。



母親のことなんて、忘れようとしてた。



コンコン…



「坊ちゃま。よろしいですか?」



じいやが起こしに来たのかな?



お昼近いもんね。



「なんだ?」



寝ぼけた顔で、ベッドから起き上がった。



「お客様です。」

「誰だよ?」



「西來(にしな)という、女の方が…。どうしても、お会いして話がしたいと。」

「っとに…。」



イラつきながらベッドから降りた。



あたしは、全てが真っ白になってた。

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