禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「……そんなの、信じられません。」



神楽の困惑した声が聞こえる。



「美緒は、私が預けていただけなんです。こうして出てきた今、一緒に暮らす権利はあるはずです!!」



やっぱり。



ここまで来るなんて。



「世間的に考えてください。罪を償ったとはいえ、殺人犯と一緒に暮らすのは、本人の幸せになりますか?」



「分かってます。でも、美緒は大事な娘なんです。」



泣きながら訴えてるのが分かるけど…。



「だったら、放っておいてよ!!」



居てもたっても居られなくて。



思わず会話に入っちゃった。



「お前…。」



神楽も母親もビックリしてる。



「あたしは、ここで暮らしてるの…。」

「いいから来い!!」




話の途中で、神楽に部屋から連れ出された。

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