教室の一番前の席。

翌日、昨日と同じように電車に乗り、高校に着き、真由と別れ、自分のクラスに行く。

朝のホームルームが始まる。

「じゃあ席替えします。あっ委員も決めます。」

昨日席替えって言ってたな…
って!委員も決めるの?
聞いてない!

隣の男子にこっそり話しかける。

「委員決めるなんて聞いた?」

「…昨日言ってたよ」

返ってきたのは素っ気ない一言。

そんなぁ…。

「じゃあまず席替えな。」

もうどうでもよくなった。
くじなんか適当に引く。

くじを開く。

「えっ…。一番前?!」

ありえない。
私運なさすぎ…。

皆が机と椅子を移動させる。
一番前なんて気が重いなぁ、と思いながら私も移動する。

移動して椅子に座った。
一息ついていると私の肩を誰かがトントン、と叩いた。

「ん?」

私が振り向くと、笑顔の可愛い女の子が目の前にいた。

「私、水瀬 花織。同じ班だね!よろしくね♪」

「私は桜田 ゆい。よろしくね!」
同じ班ってこともあって、私達はすぐに仲良くなった。

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