本当の愛
優矢と電話するのは
だいたい夜中。
携帯だと高いから
家の電話から
優矢の携帯にかけて長電話。
私の楽しみの1つなの。
親に見つかって
何回も何回も怒られたけど、
どうしても声聞きたくて…
いつも無視してた。
今日も優矢と長電話。
この時間すごく幸せ…。
「ねぇ、愛罹って他の男にも
“愛罹”って
呼ばれてんでしょ??」
「え、うん。だいたいはね」
「じゃあ俺は愛罹って呼ばない」
…ん??何で??
「他の男と一緒じゃやだ…
俺は彼氏なんだから
特別でしょお??」
優矢の声、何か可愛い…
甘えてるみたいなそんな声。
大好きだなぁ
「そうだよ??」
「俺、愛罹のこと
“あーちゃん”って
呼んでいい??」
ちょっと照れちゃうよ…
「いいよ。じゃあ私も
彼女だから特別でしょ??
優矢のこと“優ちゃん”
って呼んでいい??」
さらっと言ってみたけど
けっこう恥ずかしくて
顔が熱くなった。
「いいよ!!何か照れるね」
優ちゃんすごく嬉しそう。
2人だけの特別な呼び方。
私と優ちゃんだけ。
他の人がどう思ったって
私達には関係ない。
何言われたって
気になんないよ。
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