~1day Love minutes~
(あれ・・・何だろ今の・・・)




「そいや、名前何て言うの?」


「えっ、あ・・・弥羅・・・です」

 
「ん?」 


 つい、小声になってしまった。そこでさっきよりも大きな声でもう一度言った。


「い、〝泉 弥羅(いずみみら)〟って言うの。よろしく」


 少しかんでしまったが、よろしく、と自然に言えていた私に自分自身、驚いた。


「お、そっか。俺は依玖。〝橘 依玖(たちばないく)〟」


「橘・・・君?」


「依玖でいーって、弥羅!」


 突然呼び捨てで呼ばれたので、私は思わず赤面した。


「うっ、うん。えっと・・・依玖?」


(呼び捨てなんて慣れてないっ・・・)


 私は、窓の方を向きながら言った。


「何だよー、こっち向いて言ってくれればいいのにさっ」


「だって・・・」


「顔、真っ赤だし。意外とシャイなんだね」


 と衣玖が嫌味っぽく笑う。


「そんなことっ・・・ないもん・・・」


(はぁ・・・私、説得力無いなぁ~)


 なんて、一人で落ちこんでしまった。



 




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