~1day Love minutes~
「そんなに落ち込むなよ~」


 衣玖はあくまでも明るかった。


「う・・・ん・・・」


 しかし、それとは裏腹に私は、どうしてもマイナスになってしまう。


「・・・さっきさー…」


「っえ?」


 ハッとして、思わず聞き返した。衣玖は珍しく俯きながら、言い直した。


「さっきは聞かないって言ったけど、やっぱ気になるから聞いても良い?」


「う、うん。何?」


 私は何のことか分からないまま、思わず頷いてしまった。


「弥羅は、何しに行くの?」


「はっ?」


 突然そう聞かれ、初め、何の事だか分からなかった。


「だから・・・何のためにこの電車に乗ってるのかってこと」


「あ、あー、そういうことね。えっと・・・」
< 7 / 44 >

この作品をシェア

pagetop