君を愛す ただ君を……
あたしと親友と君と…
「しぃ、まだ帰りの支度が出来てないのかよ」
学ランのボタンをいくつか開けて、アンダーシャツを覗かせている男子が教室内に足を踏み入れながら、声をあげた
声変わりの終わった喉仏に響く低い声が、あたしの胸の鼓動を促進させた
「まだ終わってなくてすみませんねえ!」
しぃちゃんが、べえっと舌を出して、あたしたちに近づいてくる男子・越智 愁一郎君を睨みつめた
「涼宮だって、もう終わってるのに…ほんとにお前はトロいよなあ」
越智君が、軽そうな鞄でしぃちゃんの頭をそっと叩いて、愛おしそうに微笑んだ
「陽菜は、手際がいいの。要領もいいし、頭もいいから」
しぃちゃんが、越智君の胸に向かって拳を入れると、頬を膨らませた
越智君が、しぃちゃんの拳を左手で受け止めると、一歩後ろに下がった
短い黒い髪が、さらっと動いた
「おっと。あぶねえ…てか、しぃが要領が悪すぎるんだろ」
「煩い!」
しぃちゃんが、ポニーテールの髪を揺らしながら、筆箱を投げた
越智君は、片手で筆箱を受け取ると、しぃちゃんの鞄の中に丁寧に入れてあげた
男性の手とは思えないほど綺麗な手に、あたしの目は奪われる
いいなあ
越智君の手が、しいちゃんの頭の上に乗ると、優しく撫で始める
「早くしろよ」
「はいはい、してますよ」
しぃちゃんが、適当に返事をしながら、机の中に視線を動かした
「涼宮、毎日悪いな! こんなトロいヤツに付き合ってくれて」
越智君が、片手を顔を前に出して謝った
あたしは首を左右に振ると、微笑んだ
だって、しぃちゃんと居れば、越智君に会えるから
学ランのボタンをいくつか開けて、アンダーシャツを覗かせている男子が教室内に足を踏み入れながら、声をあげた
声変わりの終わった喉仏に響く低い声が、あたしの胸の鼓動を促進させた
「まだ終わってなくてすみませんねえ!」
しぃちゃんが、べえっと舌を出して、あたしたちに近づいてくる男子・越智 愁一郎君を睨みつめた
「涼宮だって、もう終わってるのに…ほんとにお前はトロいよなあ」
越智君が、軽そうな鞄でしぃちゃんの頭をそっと叩いて、愛おしそうに微笑んだ
「陽菜は、手際がいいの。要領もいいし、頭もいいから」
しぃちゃんが、越智君の胸に向かって拳を入れると、頬を膨らませた
越智君が、しぃちゃんの拳を左手で受け止めると、一歩後ろに下がった
短い黒い髪が、さらっと動いた
「おっと。あぶねえ…てか、しぃが要領が悪すぎるんだろ」
「煩い!」
しぃちゃんが、ポニーテールの髪を揺らしながら、筆箱を投げた
越智君は、片手で筆箱を受け取ると、しぃちゃんの鞄の中に丁寧に入れてあげた
男性の手とは思えないほど綺麗な手に、あたしの目は奪われる
いいなあ
越智君の手が、しいちゃんの頭の上に乗ると、優しく撫で始める
「早くしろよ」
「はいはい、してますよ」
しぃちゃんが、適当に返事をしながら、机の中に視線を動かした
「涼宮、毎日悪いな! こんなトロいヤツに付き合ってくれて」
越智君が、片手を顔を前に出して謝った
あたしは首を左右に振ると、微笑んだ
だって、しぃちゃんと居れば、越智君に会えるから
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