君を愛す ただ君を……
あたしが帰ると、ママが泣いて喜んでいた
そんなに心配をかけているなんて、思わなかったから正直、ちょっと驚いた
あたしの心臓はとっくに寿命を終えているから、登下校の途中で倒れたんじゃないのか?
校内で倒れて、誰にもまだ見つけてもらってないんじゃないのか?
って、ママはいつでもあたしの心配をしているみたい
「うわー。家に車がある」
何も無かった庭のスペースに、大ちゃんの赤い車がでーんと駐車していた
「すごいねえ」
あたしは居間の窓を少し開けると、大ちゃんの車を見つめた
「社会人だからね、僕も」
大ちゃんがあたしに温かい上着をかけてくれた
「寒くない?」
「うん、大丈夫」
どうしたのだろう?
こんなに大ちゃんが優しいなんて…ちょっと、変な感じがする
あたしの知っている大ちゃんじゃないよ
「明日から、あの車で送り迎えをするから」
「え?」
あたしは振り返って、真後ろに立っている大ちゃんを見た
大ちゃんはにっこりと笑っている
「同じ高校に行くんだから、いいでしょ?」
「あ…うん」
「よし! あと、陽菜は陸上のマネな。ほんとは部活の顧問になる気はなかったんだけど…どうしてもって校長先生に頼まれちゃったからさ。教室で、ぼーっと帰りを待つより、陸上部のマネをしながら、待ってれば、飽きないだろ?」
大ちゃんの手があたしの頬に触れた
大ちゃん…それって、もしかしてあたしの監視役になったの?
いつ倒れても、大ちゃんが傍にいて、すぐにママに連絡がいくようにって
今日みたいに、どこに行ったのかわからない
もしかしたら倒れているんじゃないかっていうママの不安を解消するために?
「あたし、平気だよ?」
「まあ、いいから。マネ、やってみなよ。陽菜がいたら、もしかしたら簡単にヤツが釣れるかも?」
「ヤツ?」
大ちゃんがにこっと笑うと、ゆっくりと窓を閉めた
「越智愁一郎だよ」
「越智君は彼女がいるし、クリスマスに向けてバイトもしてるって…あっ」
あたしは慌てて口を押さえた
そんなに心配をかけているなんて、思わなかったから正直、ちょっと驚いた
あたしの心臓はとっくに寿命を終えているから、登下校の途中で倒れたんじゃないのか?
校内で倒れて、誰にもまだ見つけてもらってないんじゃないのか?
って、ママはいつでもあたしの心配をしているみたい
「うわー。家に車がある」
何も無かった庭のスペースに、大ちゃんの赤い車がでーんと駐車していた
「すごいねえ」
あたしは居間の窓を少し開けると、大ちゃんの車を見つめた
「社会人だからね、僕も」
大ちゃんがあたしに温かい上着をかけてくれた
「寒くない?」
「うん、大丈夫」
どうしたのだろう?
こんなに大ちゃんが優しいなんて…ちょっと、変な感じがする
あたしの知っている大ちゃんじゃないよ
「明日から、あの車で送り迎えをするから」
「え?」
あたしは振り返って、真後ろに立っている大ちゃんを見た
大ちゃんはにっこりと笑っている
「同じ高校に行くんだから、いいでしょ?」
「あ…うん」
「よし! あと、陽菜は陸上のマネな。ほんとは部活の顧問になる気はなかったんだけど…どうしてもって校長先生に頼まれちゃったからさ。教室で、ぼーっと帰りを待つより、陸上部のマネをしながら、待ってれば、飽きないだろ?」
大ちゃんの手があたしの頬に触れた
大ちゃん…それって、もしかしてあたしの監視役になったの?
いつ倒れても、大ちゃんが傍にいて、すぐにママに連絡がいくようにって
今日みたいに、どこに行ったのかわからない
もしかしたら倒れているんじゃないかっていうママの不安を解消するために?
「あたし、平気だよ?」
「まあ、いいから。マネ、やってみなよ。陽菜がいたら、もしかしたら簡単にヤツが釣れるかも?」
「ヤツ?」
大ちゃんがにこっと笑うと、ゆっくりと窓を閉めた
「越智愁一郎だよ」
「越智君は彼女がいるし、クリスマスに向けてバイトもしてるって…あっ」
あたしは慌てて口を押さえた