君を愛す ただ君を……
きちんと目が覚めたときは、外がとても明るくて眩しいくらいに朝日が差し込んでいた
「陽菜…? 陽菜っ! 目が覚めたのね」
ママの喜びに満ちた叫び声と父の安堵した笑み、そして目を赤くして無言で立っている大ちゃんが病室にいた
「あれ? 越智君は?」
あたしはぼそっと呟くと、大ちゃんがそっとあたしの手を握ってくれた
「越智は来てないよ」
「え?」
「たぶん…もう日本にいないよ」
「え?」
日本にいないってどういうこと?
あたしは大ちゃんの目をじっと見つめた
「今朝早く越智は、ドイツに行ったはずだよ」
「ドイツ?」
「彼の母親の知り合いがドイツにいるらしくて…。要は陽菜が入院している間は、近づけさせたくないんだろうね」
大ちゃんが困った表情になった
「そっか。じゃあ、あれは夢?」
「夢って?」
「越智君が手術の後に、『成功したよ』って言ってくれたの。あれは夢だったんだね」
あたしは窓に視線を向けた
そっか…越智君はもう日本にいないんだ
またお母さんの目を盗んで病室に忍び込んできたり…なんてないんだね
本当に、お別れなんだね
あたしたち…もう、会うこともないのかな?
「陽菜…? 陽菜っ! 目が覚めたのね」
ママの喜びに満ちた叫び声と父の安堵した笑み、そして目を赤くして無言で立っている大ちゃんが病室にいた
「あれ? 越智君は?」
あたしはぼそっと呟くと、大ちゃんがそっとあたしの手を握ってくれた
「越智は来てないよ」
「え?」
「たぶん…もう日本にいないよ」
「え?」
日本にいないってどういうこと?
あたしは大ちゃんの目をじっと見つめた
「今朝早く越智は、ドイツに行ったはずだよ」
「ドイツ?」
「彼の母親の知り合いがドイツにいるらしくて…。要は陽菜が入院している間は、近づけさせたくないんだろうね」
大ちゃんが困った表情になった
「そっか。じゃあ、あれは夢?」
「夢って?」
「越智君が手術の後に、『成功したよ』って言ってくれたの。あれは夢だったんだね」
あたしは窓に視線を向けた
そっか…越智君はもう日本にいないんだ
またお母さんの目を盗んで病室に忍び込んできたり…なんてないんだね
本当に、お別れなんだね
あたしたち…もう、会うこともないのかな?