君を愛す ただ君を……
視線が辿りついた先は、高級感が漂うレストランだった
その店先で、スーツを着ている越智君が、真っ赤なワンピースを着ている軽部先生にコートを着る手伝いをしているところだった
袖を通した軽部先生が振り返ると、越智君の頬にキスした
「何よ、あれ!」
「うーん、デート中かなあ」
あたしがぼそっと答えると、レイちゃんがあたしの背中をバシッと叩いた
「邪魔しておいでよ」
「嫌だよ」
「だって研修医はうちらとコンパの予定だったんだよ! なんで横取りされてるのよ」
「知らないよ…ていうか、もともと入ってた予定かもよ?」
「あのバカ研修医が、今日がいいって言ったんだよ。予定が入ってるわけないじゃん」
どうやらレイちゃんの中で、越智君のランクが『バカな男』に格下げされたらしい
「いろいろ付き合いっていうのがあるんじゃないの?」
「何で、そう弱気なのよ。あんな女、奪っておしまい!」
「ええ? 嫌だよぉ」
あたしは眉をひそめると、首を横に振った
どう見ても、軽部先生のほうが大人の香り漂う良い女だもん
勝ち目がないでしょ
レイちゃんがフンと鼻息を荒くすると、あたしの手を掴んでずんずんと歩きだした
「ちょ…レイちゃん?」
「頭に来たの! 今の私を止めないで」
レイちゃんがそう言いきって、どんどんと越智君たちに近づいて行った
「愁、なんだか酔っちゃった。まっすぐ歩けそうにないの。家まで送ってくれない?」
あたしたちの目の前で、軽部先生が越智君の腕に手をまわした
「じゃあ、タクシーを呼びますから」
越智君が、道路のほうに視線を動かした
「どうして? 愁は車通勤でしょ? 今日はまだ一滴も飲んでないんだから送っていってよ」
「俺、用事があるって言いましたよね? 人を待たせてるんです」
「もう帰ってるんじゃない?」
軽部先生が、越智君の肩に頭を寄せた
ああ、軽部先生は越智君が好きなんだ
「あらぁ? 軽部先生じゃないですかぁ…相当酔ってるみたいですねえ~。大丈夫ですかあ…って、外科の研修医君も一緒なんだあ」
レイちゃんがわざとらしく大きな声で、話しかけた
ちょ…レイちゃん!
マズイってばっ
その店先で、スーツを着ている越智君が、真っ赤なワンピースを着ている軽部先生にコートを着る手伝いをしているところだった
袖を通した軽部先生が振り返ると、越智君の頬にキスした
「何よ、あれ!」
「うーん、デート中かなあ」
あたしがぼそっと答えると、レイちゃんがあたしの背中をバシッと叩いた
「邪魔しておいでよ」
「嫌だよ」
「だって研修医はうちらとコンパの予定だったんだよ! なんで横取りされてるのよ」
「知らないよ…ていうか、もともと入ってた予定かもよ?」
「あのバカ研修医が、今日がいいって言ったんだよ。予定が入ってるわけないじゃん」
どうやらレイちゃんの中で、越智君のランクが『バカな男』に格下げされたらしい
「いろいろ付き合いっていうのがあるんじゃないの?」
「何で、そう弱気なのよ。あんな女、奪っておしまい!」
「ええ? 嫌だよぉ」
あたしは眉をひそめると、首を横に振った
どう見ても、軽部先生のほうが大人の香り漂う良い女だもん
勝ち目がないでしょ
レイちゃんがフンと鼻息を荒くすると、あたしの手を掴んでずんずんと歩きだした
「ちょ…レイちゃん?」
「頭に来たの! 今の私を止めないで」
レイちゃんがそう言いきって、どんどんと越智君たちに近づいて行った
「愁、なんだか酔っちゃった。まっすぐ歩けそうにないの。家まで送ってくれない?」
あたしたちの目の前で、軽部先生が越智君の腕に手をまわした
「じゃあ、タクシーを呼びますから」
越智君が、道路のほうに視線を動かした
「どうして? 愁は車通勤でしょ? 今日はまだ一滴も飲んでないんだから送っていってよ」
「俺、用事があるって言いましたよね? 人を待たせてるんです」
「もう帰ってるんじゃない?」
軽部先生が、越智君の肩に頭を寄せた
ああ、軽部先生は越智君が好きなんだ
「あらぁ? 軽部先生じゃないですかぁ…相当酔ってるみたいですねえ~。大丈夫ですかあ…って、外科の研修医君も一緒なんだあ」
レイちゃんがわざとらしく大きな声で、話しかけた
ちょ…レイちゃん!
マズイってばっ