君を愛す ただ君を……
あたしは越智君と別れると、寮の部屋に戻ろうと廊下を歩いた
「あらぁ。随分と遠回りして帰ってきたんだねえ」
ウーロン茶のペットボトルを小脇に抱えているレイちゃんが、後ろからあたしに声をかけてきた
あたしは振り返るとレイちゃんに微笑んだ
「レイちゃん、どうだった?」
「その質問、そっくりそのまま陽菜に返したいんだけど」
「あ」と、あたしは口を開くと、乾いた笑いをたてた
「私は別に変わったことなんてないよ。差し入れのお菓子を寒空の下で二人で食べて、15分もしないでバイバイって感じ。会話なんてとくにないし」
レイちゃんが少し残念そうに笑った
「そっか」
「…で、陽菜は?」
「あたしはぁ…そのぉ。はっきりした言葉はなかったんだけど、たぶん付き合うことになったんだと思う」
「え? 言葉よりも身体で話をしちゃった?」
レイちゃんの言葉に、あたしの顔が真っ赤になった
「違うよ! 一緒に住もうって言われただけで、とくに付き合おうって言われたわけじゃないってこと」
レイちゃんが目を丸くした
「い…一緒に住むの?」
あたしは首を横に振る
「まだ。すぐには無理だよって言ったんだ。親にちゃんと言わないとだし、寮を出て行くにも手続きとかあるし」
レイちゃんがちょっと考えたあと、あたしの両肩に手をポンと乗せた
「一緒に住むなら、早いほうがいいかも! あの研修医の住んでる場所が、みんなに広く知れ渡る前に引っ越しちゃったほうが…引っ越しのときにあーだこーだって詮索されないかもよ?」
「うーん」
あたしは首を捻った
「同じ住所に引っ越したって噂になったら、仕事やりにくいんじゃない? 結婚して同じ住居になるんだったらいいんだろうけど。同棲ならまだあの研修医の存在が第一外科内にとどまっている間にしちゃったほうが、いいかも……あとは、実家に帰るとか書類に記載しておいて、同棲するとか?」
レイちゃんがあたしよりも真剣に考えていた
「あらぁ。随分と遠回りして帰ってきたんだねえ」
ウーロン茶のペットボトルを小脇に抱えているレイちゃんが、後ろからあたしに声をかけてきた
あたしは振り返るとレイちゃんに微笑んだ
「レイちゃん、どうだった?」
「その質問、そっくりそのまま陽菜に返したいんだけど」
「あ」と、あたしは口を開くと、乾いた笑いをたてた
「私は別に変わったことなんてないよ。差し入れのお菓子を寒空の下で二人で食べて、15分もしないでバイバイって感じ。会話なんてとくにないし」
レイちゃんが少し残念そうに笑った
「そっか」
「…で、陽菜は?」
「あたしはぁ…そのぉ。はっきりした言葉はなかったんだけど、たぶん付き合うことになったんだと思う」
「え? 言葉よりも身体で話をしちゃった?」
レイちゃんの言葉に、あたしの顔が真っ赤になった
「違うよ! 一緒に住もうって言われただけで、とくに付き合おうって言われたわけじゃないってこと」
レイちゃんが目を丸くした
「い…一緒に住むの?」
あたしは首を横に振る
「まだ。すぐには無理だよって言ったんだ。親にちゃんと言わないとだし、寮を出て行くにも手続きとかあるし」
レイちゃんがちょっと考えたあと、あたしの両肩に手をポンと乗せた
「一緒に住むなら、早いほうがいいかも! あの研修医の住んでる場所が、みんなに広く知れ渡る前に引っ越しちゃったほうが…引っ越しのときにあーだこーだって詮索されないかもよ?」
「うーん」
あたしは首を捻った
「同じ住所に引っ越したって噂になったら、仕事やりにくいんじゃない? 結婚して同じ住居になるんだったらいいんだろうけど。同棲ならまだあの研修医の存在が第一外科内にとどまっている間にしちゃったほうが、いいかも……あとは、実家に帰るとか書類に記載しておいて、同棲するとか?」
レイちゃんがあたしよりも真剣に考えていた