君を愛す ただ君を……
女王様の怒り
「おはようございます」
あたしは紺色のカーディガンを羽織りながら、ナースステーションに踏み入れた
まだ当直体制の時間帯であるため、夜勤チームの看護師が疲れた顔を見せながらも、きびきびと動いていた
その室内の端っこで、見なれない背格好の白衣が目に入る
あたしは視線を動かすと、カルテに目を通している越智君が映った
テーブルに肘をついて、ぺらぺらとカルテのページを捲っては、次の人のカルテへと移動した
「今年の研修医、骨のありそうなのが一人いたわね」
夜勤の主任が、あたしに耳うちをしてきた
あたしは主任のほうに振り向く
「朝6時に出勤してきて、入院中の患者と通院中の患者のカルテに目を通しているのよ」
「朝6時ですか?」
あたしはびっくりして、夜勤の主任に聞き返した
「そうよ。他の研修医たちに比べて、勉強一筋でここまできましたって感じのイメージとは違うじゃない? どちらかというと女遊びが激しそうな…すぐにあちこちの若い看護師と噂になって居づらくなって辞めちゃう…って感じな子なのに。ちょっとびっくりしちゃった」
夜勤の主任が、越智君の背中を微笑ましそうな顔を見つめてから、仕事に戻った
あたしはナースステーションの奥にある給湯室に行くと、インスタントコーヒーを紙コップに入れた
それを持って越智君の前にいくと、そっとテーブルの上に置いた
「越智先生、おはようございます。よかったらどうぞ」
あたしは紙コップを横に置くと、すでに3つの飲み物がテーブルにあるのに気がついた
さらに甘いお菓子まで、小奇麗な皿の盛ってあった
「…て、あたしのは必要ないかな?」
あたしは紙コップのコーヒーを持ち上げようとすると、越智君に手首を掴まれた
「そのコーヒーが一番、飲みたいんだけど」
越智君がにっこりと笑った
あたしは紺色のカーディガンを羽織りながら、ナースステーションに踏み入れた
まだ当直体制の時間帯であるため、夜勤チームの看護師が疲れた顔を見せながらも、きびきびと動いていた
その室内の端っこで、見なれない背格好の白衣が目に入る
あたしは視線を動かすと、カルテに目を通している越智君が映った
テーブルに肘をついて、ぺらぺらとカルテのページを捲っては、次の人のカルテへと移動した
「今年の研修医、骨のありそうなのが一人いたわね」
夜勤の主任が、あたしに耳うちをしてきた
あたしは主任のほうに振り向く
「朝6時に出勤してきて、入院中の患者と通院中の患者のカルテに目を通しているのよ」
「朝6時ですか?」
あたしはびっくりして、夜勤の主任に聞き返した
「そうよ。他の研修医たちに比べて、勉強一筋でここまできましたって感じのイメージとは違うじゃない? どちらかというと女遊びが激しそうな…すぐにあちこちの若い看護師と噂になって居づらくなって辞めちゃう…って感じな子なのに。ちょっとびっくりしちゃった」
夜勤の主任が、越智君の背中を微笑ましそうな顔を見つめてから、仕事に戻った
あたしはナースステーションの奥にある給湯室に行くと、インスタントコーヒーを紙コップに入れた
それを持って越智君の前にいくと、そっとテーブルの上に置いた
「越智先生、おはようございます。よかったらどうぞ」
あたしは紙コップを横に置くと、すでに3つの飲み物がテーブルにあるのに気がついた
さらに甘いお菓子まで、小奇麗な皿の盛ってあった
「…て、あたしのは必要ないかな?」
あたしは紙コップのコーヒーを持ち上げようとすると、越智君に手首を掴まれた
「そのコーヒーが一番、飲みたいんだけど」
越智君がにっこりと笑った