君を愛す ただ君を……
『オッケーを貰えたよ』

寮に帰ると、あたしは越智君の携帯にメールした

病院内ならピッチのほうがすぐに見てくれるんだろうけれど、あたしは越智君のピッチのアドレスを知らないから、携帯にメールした

仕事が終わったときにでも見てくれればいいやってのんびりとした気持ちでいた

けれどすぐに仕事用のピッチが震えて、メールが届いた

『良かった。少しずつでいいから、荷物を運び入れなよ。カードキー持ってるだろ? 勝手にあがっていいから。越智』

あたしはびっくりして、越智君が仕事中なのにもかかわらずメールを返信してしまった

『どうしてあたしのアドレスを知ってるの?』

『第一外科のアドレスなら、全員登録してある』

凄い……

あたしは仲の良い人しか登録してないよ

急に連絡しなくちゃいけないときは、ナースステーションにある名簿を見て連絡してた

確かに全員登録してあると便利かもね

すぐに電話できるし

『お仕事、頑張ってね』

あたしはメールを送り終わると、旅行用の大きな鞄に何着かの洋服を詰め込んだ

来月から支部の勤務になる

来月と言っても、悠長に構えているほどの日数はないんだよね

1週間とちょっと

業者を頼んで引っ越しっていうほどの荷物はないし、何回が往復すれば、越智君のマンションに運びこめると思うんだ

あたしはそのまま出勤できる準備をしてから、鞄を持って越智君のマンションに向かった

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