君を愛す ただ君を……
見知った患者
外来が終わった後の救急センターは忙しくなる
次から次へと運びこまれてくる患者の対応するが大変で、あっという間に時間が過ぎていく
休憩をとったのかとってないのか…いまいちよくわからないまま呼びだされて、患者の治療にあたる
「患者の身元はわかりますか?」
あたしはたった今、救急車から降りてきた患者を病院用のベッドに移動させながら、救急隊員の一人に質問した
「岡崎大樹で、高校教員だそうです。腹部と大腿部に刺し傷があって、意識不明。出血も多く、体温低下中です」
え? 大ちゃん?
あたしは血だらけで、ベッドに横たわっている男の顔に視線を落とした
「大ちゃん? ねえ、大ちゃんっ! なんで?」
あたしは大きな声で叫んだ
「どうした? 涼宮…知り合いなのか!」
あたしの隣にいた海東君が、声をかけてくる
「ねえ、大ちゃん! 目を開けてよ」
「おいっ。涼宮、しっかりしろ。お前は看護師だろ」
海東君に背中を叩かれると、あたしははっと顔をあげた
「ごめん。従兄なの…もう平気だから」
あたしは深呼吸をすると、ベッドを押して処置室に運んだ
「脈拍が低下してる。手のあいてる先生はいないの?」
あたしは海東君に質問をする
「センターの医師は皆、他の人の治療中なんだ」
「外科の先生は? まだ残ってないか聞いてくる」
あたしは真っ青な大ちゃんの顔を見てから、内線電話の近くに駆け寄った
第一外科の内線のボタンを押すと、呼び出し音を数えた
お願い…誰か、出て
早く、大ちゃんが死んじゃう
5回目のコールで、「はい、第一外科です」という低い声が聞こえた
「センターの涼宮です。勤務時間外にすみません。外科の当直の先生はいらっしゃいますか?」
『涼宮? 何かあったの?』
「あ…越智君? センターの医師が手いっぱいで…一人刺傷者がいるんだけど、外科の先生に処置してもらいたいの」
『こっちも手術で、当直の先生が……』
越智君が気まずそうに返事をした
次から次へと運びこまれてくる患者の対応するが大変で、あっという間に時間が過ぎていく
休憩をとったのかとってないのか…いまいちよくわからないまま呼びだされて、患者の治療にあたる
「患者の身元はわかりますか?」
あたしはたった今、救急車から降りてきた患者を病院用のベッドに移動させながら、救急隊員の一人に質問した
「岡崎大樹で、高校教員だそうです。腹部と大腿部に刺し傷があって、意識不明。出血も多く、体温低下中です」
え? 大ちゃん?
あたしは血だらけで、ベッドに横たわっている男の顔に視線を落とした
「大ちゃん? ねえ、大ちゃんっ! なんで?」
あたしは大きな声で叫んだ
「どうした? 涼宮…知り合いなのか!」
あたしの隣にいた海東君が、声をかけてくる
「ねえ、大ちゃん! 目を開けてよ」
「おいっ。涼宮、しっかりしろ。お前は看護師だろ」
海東君に背中を叩かれると、あたしははっと顔をあげた
「ごめん。従兄なの…もう平気だから」
あたしは深呼吸をすると、ベッドを押して処置室に運んだ
「脈拍が低下してる。手のあいてる先生はいないの?」
あたしは海東君に質問をする
「センターの医師は皆、他の人の治療中なんだ」
「外科の先生は? まだ残ってないか聞いてくる」
あたしは真っ青な大ちゃんの顔を見てから、内線電話の近くに駆け寄った
第一外科の内線のボタンを押すと、呼び出し音を数えた
お願い…誰か、出て
早く、大ちゃんが死んじゃう
5回目のコールで、「はい、第一外科です」という低い声が聞こえた
「センターの涼宮です。勤務時間外にすみません。外科の当直の先生はいらっしゃいますか?」
『涼宮? 何かあったの?』
「あ…越智君? センターの医師が手いっぱいで…一人刺傷者がいるんだけど、外科の先生に処置してもらいたいの」
『こっちも手術で、当直の先生が……』
越智君が気まずそうに返事をした