君を愛す ただ君を……
心の中でふんっと鼻を鳴らすと、グラスに残っているウイスキーを飲み干した

「今夜は良い飲みっぷりだね…軽部先生。あっ、彩香ちゃん」

トイレから戻ってきた教授が酔った身体を、私に押しつけながら口を開いた

酒臭い息が、気持ちが悪い

こっちに来ないでよ、もうっ

「飲みすぎなのは、教授のほうです」

私の太腿を厭らしい手つきで撫でてくると、私は教授の手を叩いた

私はお店の子じゃないんだから、気安く触らないでよ

「この手は少しお痛がすぎるようですけど?」

「彩香ちゃんが、こんな誘うようなスカートをはいてるからだよぉ」

きもっ…

私はまた教授の手を叩いた

「誘ってませんからっ」

教授のゴツゴツした手が私の太腿を撫でるたびに、気持ち悪さで身震いが起きる

それをどう勘違いしたのか

教授はニヤニヤと笑いながら、「可愛いよ」とか言い出してきた

やめてよ…本当に気持ち悪いんだから

教授はさらに密着度を高めると、私の肩を抱いてくる

教授の指はさらに奥へと侵入するようになった

「本当にやめてください」

私は教授の手首を掴んで、スカートの外に出そうとするが、酔っていても男は男

力を入れた教授の手はなかなか私の太腿から離れようとはしない

「君とは一度、寝てみたかったんだ」

「はあ?」

「単位欲しさに、私を喜ばせてくれる生徒は大勢いたが……」

「ちょっと、何を…」

何、それ

馬鹿な女でも、こいつに足を開けば単位を貰えた子がいるってこと?

やめてよ

そんな女と一緒にしないで

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