君を愛す ただ君を……
「あ、愁…いたいた! どこに行ってたのよ!」
しぃちゃんが廊下を走りながら、手を振ってきた
「もう、探したよー。お昼は食べた? もう昼休みがおわ…ちゃうけど…」
しいちゃんの目が、あたしと越智君の身体を行き来するのがわかった
首を傾げて、不安そうな表情に変化していく
「新任教師に腕立て200回やらされたんだ。陸上部に入らないと、さらに回数を増やすって脅されて…入部しちまったよ」
越智君が、肩を竦めて苦笑した
え? 越智君…それって…
どうしてしぃちゃんに嘘を言うの?
「新任の岡崎先生ってさ。涼宮の従兄で、間に入って止めてくれたんだけど、あの人、強情な性格でさ。な、涼宮っ! 結局、俺が入るって言うまで、腕立ては続けさせられたよ」
越智君が腕を伸ばすと、あたしの肩からジャージを取った
「寒い中、止めに来てくれてサンキュ」
越智君が、ジャージの上着を肩にかけると、スタスタと廊下を歩いて行ってしまった
「そうなの?」
しぃちゃんが、不思議そうな顔をしていた
「あ、大ちゃんのこと? ずっと越智君が欲しいって煩くて。越智君が体育の時間に喧嘩を吹っ掛けたみたいだよ」
あたしは笑顔を作ると、しぃちゃんの顔を見た
「食堂にパンを買いに行ってたら、越智君のクラスメートの話が聞こえてきて…校庭に行ったら、大ちゃんが…ね」
しいちゃんの視線が落ちて、あたしの手を見た
「…で、パンは?」
「あ…一つは怒って大ちゃんに投げて、それっきりなのと。もう一つは、ついさっき越智君が食べちゃった」
「そ…そうなんだ」
しぃちゃんがぎこちない笑みを見せた
ごめんね
きっと疑ってるよね
あたしが越智君のジャージを着てるなんて…不安になっちゃうよね
しかも土まみれで、ずっと昼休み中、姿が見えなかったって思ってたら…疑っちゃうよね
ごめん
違うから…しぃちゃんが不安に思うことは何もないから
しぃちゃんが廊下を走りながら、手を振ってきた
「もう、探したよー。お昼は食べた? もう昼休みがおわ…ちゃうけど…」
しいちゃんの目が、あたしと越智君の身体を行き来するのがわかった
首を傾げて、不安そうな表情に変化していく
「新任教師に腕立て200回やらされたんだ。陸上部に入らないと、さらに回数を増やすって脅されて…入部しちまったよ」
越智君が、肩を竦めて苦笑した
え? 越智君…それって…
どうしてしぃちゃんに嘘を言うの?
「新任の岡崎先生ってさ。涼宮の従兄で、間に入って止めてくれたんだけど、あの人、強情な性格でさ。な、涼宮っ! 結局、俺が入るって言うまで、腕立ては続けさせられたよ」
越智君が腕を伸ばすと、あたしの肩からジャージを取った
「寒い中、止めに来てくれてサンキュ」
越智君が、ジャージの上着を肩にかけると、スタスタと廊下を歩いて行ってしまった
「そうなの?」
しぃちゃんが、不思議そうな顔をしていた
「あ、大ちゃんのこと? ずっと越智君が欲しいって煩くて。越智君が体育の時間に喧嘩を吹っ掛けたみたいだよ」
あたしは笑顔を作ると、しぃちゃんの顔を見た
「食堂にパンを買いに行ってたら、越智君のクラスメートの話が聞こえてきて…校庭に行ったら、大ちゃんが…ね」
しいちゃんの視線が落ちて、あたしの手を見た
「…で、パンは?」
「あ…一つは怒って大ちゃんに投げて、それっきりなのと。もう一つは、ついさっき越智君が食べちゃった」
「そ…そうなんだ」
しぃちゃんがぎこちない笑みを見せた
ごめんね
きっと疑ってるよね
あたしが越智君のジャージを着てるなんて…不安になっちゃうよね
しかも土まみれで、ずっと昼休み中、姿が見えなかったって思ってたら…疑っちゃうよね
ごめん
違うから…しぃちゃんが不安に思うことは何もないから