君を愛す ただ君を……
大ちゃんのお葬式は、ちょっとした同窓会のようだった

高校の頃の友人たちが、ニュースを見て、仕事を休んで駆けつけてくれた

リンちゃんやしぃちゃんも来てくれて、あたしに声をかけてくれた

高校を退学してから、しばらくは連絡を取ってたけど、二人とも大学に進学する頃にはもう…メールのやり取りはなくなってた

久々に再会して、アドレスの交換した

二人とも、アドレスがすっかり変わってた

リンちゃんは結婚して、1児のママになってた

しぃちゃんも、彼女いわく愁一郎より格好良い彼氏と付き合ってるって

お葬式が無事に終わると、あたしは軽部先生と大ちゃんのマンションに戻った

もう2日、愁一郎のいる家には帰ってない

愁一郎も、軽部先生の空いた穴を埋めるために第一外科とセンターを行き来してて、家に帰れてないってメールがあった

もうしばらく、軽部先生の傍にいたいって思ってる

軽部先生のお腹の中には、大ちゃんの赤ちゃんがいる

大ちゃんのDNAを受け継いだ子が……軽部先生の中にいると思うと、先生には無理をしてほしくない

大ちゃんのマンションに戻ってくるなり、あたしと軽部先生は喪服のまま、ソファに並んで腰をかけた

「大樹って、教師として生徒に人気があったのね。参列者を見て、感じたわ」

「あたしもそう思いました」

「馬鹿な弟せいで…優秀な高校教師を亡くしてしまったのね」

「そんなことないです。大輔君だって、大ちゃんにしたら大切な生徒ですから」

「そうかしら? 他人に迷惑をかけることしかできない子よ」

「大輔君、立派な大人になりますよ」

軽部先生が重苦しい息を吐き出すと、悲しい顔になった

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