君を愛す ただ君を……
バチンと大きな音がした
レイちゃんが、愁一郎の頬を叩いたのだ
「陽菜の記憶が無いからって、失礼にも程があるんじゃないですか?」
レイちゃんが目を赤くして、頬を膨らませていた
「看護師が、医師に手をあげるほうが失礼だろ」
愁一郎がレイちゃんを睨むと、ナースステーションを出て行った
「な…何なのよ、あれっ」
レイちゃんが、地団駄を踏みながら怒りだした
高校のときの記憶も、再会してからの記憶も……愁一郎の中には『あたし』という存在はもういないんだ
まるでパソコンのデータを消去してしまったみたいに…すっかり消えてる
あたしは鞄を掴むと、重苦しい息を吐き出した
「大丈夫だよ。時間がたてば、思い出すって」
レイちゃんが、あたしの肩を叩いた
「まるで敵を見るような目だったね。あれじゃあ……結婚式は中止だね」
あたしは泣きたくなる気持ちを、胸の奥に押し込むと無理やりに笑顔を作った
「陽菜ぁ……今夜、やけ酒に付き合うよ?」
レイちゃんがあたしに抱きついた
「あたし…お酒飲めないし」
「えっ?」
レイちゃんがびっくりした声をあげる
あたしは妊娠したことを誰にも言ってない
仕事を休んだのも、結婚式の準備…という理由で休暇をもらっていたから
「実は…妊娠してて。あ…でも絶対に越智先生には内緒だよ。あの顔は、あたしを憎んでそうだし…知られたくない」
「陽菜ぁ…」
レイちゃんがあたしのかわりに涙をながして、泣いてくれた
レイちゃんが、愁一郎の頬を叩いたのだ
「陽菜の記憶が無いからって、失礼にも程があるんじゃないですか?」
レイちゃんが目を赤くして、頬を膨らませていた
「看護師が、医師に手をあげるほうが失礼だろ」
愁一郎がレイちゃんを睨むと、ナースステーションを出て行った
「な…何なのよ、あれっ」
レイちゃんが、地団駄を踏みながら怒りだした
高校のときの記憶も、再会してからの記憶も……愁一郎の中には『あたし』という存在はもういないんだ
まるでパソコンのデータを消去してしまったみたいに…すっかり消えてる
あたしは鞄を掴むと、重苦しい息を吐き出した
「大丈夫だよ。時間がたてば、思い出すって」
レイちゃんが、あたしの肩を叩いた
「まるで敵を見るような目だったね。あれじゃあ……結婚式は中止だね」
あたしは泣きたくなる気持ちを、胸の奥に押し込むと無理やりに笑顔を作った
「陽菜ぁ……今夜、やけ酒に付き合うよ?」
レイちゃんがあたしに抱きついた
「あたし…お酒飲めないし」
「えっ?」
レイちゃんがびっくりした声をあげる
あたしは妊娠したことを誰にも言ってない
仕事を休んだのも、結婚式の準備…という理由で休暇をもらっていたから
「実は…妊娠してて。あ…でも絶対に越智先生には内緒だよ。あの顔は、あたしを憎んでそうだし…知られたくない」
「陽菜ぁ…」
レイちゃんがあたしのかわりに涙をながして、泣いてくれた