君を愛す ただ君を……
「お袋は、生ものが食えないぞ?」
愁一郎が、居間に足を踏み入れながら、口を開いた
「だから頼むのよ! 皆でわいわい食べてやるのよ」
アキさんの言葉に、愁一郎がにっこりと楽しそうに笑った
「そりゃあ、名案だね。だけど、この焦げ臭いのをどうにかしないと料理が失敗したって一発でバレるよ?」
「換気扇を回して、アロマキャンドルよ!」
アキさんが部屋中に飾ってある蝋燭たちに目をやると、にやっと笑った
「ああ…だからここに蝋燭がたくさんあるのか。料理を失敗するたびに、お前はこれで臭いを消してたんだな」
お父さんが妙に納得した顔で、何度も頷いた
「料理ができないのに、手料理がいいって駄々をこねるからでしょ」
「やっぱ手料理がいいよな?」
お父さんが同意を求めるように、愁一郎の顔を見た
愁一郎がにこっと笑うと、あたしの顔を見てきた
「そうだね」
あたしは視線を天井に向けると、知らないふりをした
だって…あたし、料理上手っていうほど料理ができるわけじゃないし
「ほらっ、早く! 火をつけて。戻ってきちゃうでしょ」
アキさんが、キッチンからライターやらマッチやらを投げてきた
お父さんと愁一郎がキャッチをすると、部屋中に飾られているアロマキャンドルに火を灯した
愁一郎が、居間に足を踏み入れながら、口を開いた
「だから頼むのよ! 皆でわいわい食べてやるのよ」
アキさんの言葉に、愁一郎がにっこりと楽しそうに笑った
「そりゃあ、名案だね。だけど、この焦げ臭いのをどうにかしないと料理が失敗したって一発でバレるよ?」
「換気扇を回して、アロマキャンドルよ!」
アキさんが部屋中に飾ってある蝋燭たちに目をやると、にやっと笑った
「ああ…だからここに蝋燭がたくさんあるのか。料理を失敗するたびに、お前はこれで臭いを消してたんだな」
お父さんが妙に納得した顔で、何度も頷いた
「料理ができないのに、手料理がいいって駄々をこねるからでしょ」
「やっぱ手料理がいいよな?」
お父さんが同意を求めるように、愁一郎の顔を見た
愁一郎がにこっと笑うと、あたしの顔を見てきた
「そうだね」
あたしは視線を天井に向けると、知らないふりをした
だって…あたし、料理上手っていうほど料理ができるわけじゃないし
「ほらっ、早く! 火をつけて。戻ってきちゃうでしょ」
アキさんが、キッチンからライターやらマッチやらを投げてきた
お父さんと愁一郎がキャッチをすると、部屋中に飾られているアロマキャンドルに火を灯した