君を愛す ただ君を……
「ママっていつもそう。お兄ちゃんが駄目だからって、私に無理やり見合いさせて結婚させたくせに……お兄ちゃんが記憶を失って思い通りに動かせるってなったら…さっそく私を無視して、『お兄ちゃん』『お兄ちゃん』って。結局、ママはお兄ちゃんをこの病院の跡取りにしたいだけなのよ」
妹さんが、憎しみのこもった顔でお母さんを睨む
「凛、違うわ」
「違う? 何が?」
「貴方のため思って…」
「どこが? 浮気ばっかりしている夫が私のためになるの? あの医者なら、幸せになれるって言ったのはママなのに。私、全然、幸せにならない。こんな演技もバカバカしいよ」
妹さんが、お腹の中にある詰め物を出すと、お母さんに向かって投げつけた
「凛!」
お母さんが怒鳴ると、妹の凛ちゃんの肩がびくっと跳ねあがった
「凛、お前の思うように生きればいいんだよ」
お父さんが、両手を広げた
凛ちゃんの目から涙が流れだすと、凛ちゃんがお父さんの胸に飛び込んだ
「私だって…幸せになりたいよぉ」
「なれるよ。必ず」
お父さんがポンポンと頭を優しく叩いた
「私、何もないの。人間として…何もできなくて。勉強もできなかったし、大学も行かないまま……結婚しちゃって。どうしたらいいか…」
「まずは離婚だろ」
愁一郎がぼそっと口を開く
「お兄ちゃんには関係ない!」
「はいはい」
愁一郎が、返事をするとテーブルにあるお茶に手を伸ばした
妹さんが、憎しみのこもった顔でお母さんを睨む
「凛、違うわ」
「違う? 何が?」
「貴方のため思って…」
「どこが? 浮気ばっかりしている夫が私のためになるの? あの医者なら、幸せになれるって言ったのはママなのに。私、全然、幸せにならない。こんな演技もバカバカしいよ」
妹さんが、お腹の中にある詰め物を出すと、お母さんに向かって投げつけた
「凛!」
お母さんが怒鳴ると、妹の凛ちゃんの肩がびくっと跳ねあがった
「凛、お前の思うように生きればいいんだよ」
お父さんが、両手を広げた
凛ちゃんの目から涙が流れだすと、凛ちゃんがお父さんの胸に飛び込んだ
「私だって…幸せになりたいよぉ」
「なれるよ。必ず」
お父さんがポンポンと頭を優しく叩いた
「私、何もないの。人間として…何もできなくて。勉強もできなかったし、大学も行かないまま……結婚しちゃって。どうしたらいいか…」
「まずは離婚だろ」
愁一郎がぼそっと口を開く
「お兄ちゃんには関係ない!」
「はいはい」
愁一郎が、返事をするとテーブルにあるお茶に手を伸ばした