君を愛す ただ君を……
「しかし困ったなぁ」

帰り際、車に乗り込もうとしたあたしたちにお父さんが腕を組んで、首を傾げた

「何?」

愁一郎が運転席のドアを開けたまま、顔をあげた

「凛もお前も、この病院を継がないってなったら……」

「アキさんと頑張れば? 今夜あたり?」

愁一郎がにやっと笑う

「アキとは作らない。理由はお前と同じだ」

お父さんの言葉に、愁一郎は目を丸くした

「そっか」と愁一郎が小さい声で呟いた

「なら、俺が継いでやるよ。まあ、俺の代で病院が潰れても文句は言うなよ」

愁一郎がウインクすると、車に乗り込んだ

あたしもお父さんに挨拶をしてから、助手席に座る

「アキさんも…心臓が?」

「そういうことだな」

愁一郎が、シートベルトをつけるとあたしに微笑んだ

「病院の後継者になっちゃった」

「そうみたいだね」

愁一郎が苦笑すると、肩をすくめた

「ま…いっか」

愁一郎が幸せそうに微笑むと、エンジンをかけた

あたし、頑張って赤ちゃんを産むね

将来、愁一郎が継いだ病院をさらに引き継ぐ子供を産むから
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