君を愛す ただ君を……
「うわっ、すっきり!」

でも着替えが…ないんだよねえ

私はシャワーを浴び終わると、タオルを身体に巻いた

ん? これ…

『洗濯機の上にあるのが、アキさんの着替えだってさ。親父がアキさんのアパートに行って取ってきたよ』

ドア越しに愁一郎君の声が聞こえてきた

「あ…うん。あれ…先生の奥さんは?」

『あ? すぐに帰ったよ』

「なんで?」

『知るかよ。親父の女に泥をぶっかっけて気が済んだんだろ』

「ちょっと待ってよ! 違うってば」

『親父が「アキちゃん」って呼ぶんだよ? ちゃん付けだよ? 好意がある証拠でしょ』

「……うーん、違うと思うけど」

私は着替え終わると、廊下に出た

廊下が綺麗になってるのを見て、私は首を横にたおした

「あれ?」

「ああ、床はとりあえず掃除しておいた。あとはベッドをやってあげて。親父は、病院から急患の呼びだしがあって、ついさっき出て行ったから」

「そうなんだ」

「親父、アキさんを好きだと思うよ」

愁一郎君がにこっと笑うと、裸足の足で廊下を歩きだした

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