君を愛す ただ君を……
私は先生と目を見つめ合うと、唇を重ね合わせた

「アキ、一緒に住もう。アキの温もりを知って、一人で寝ろって言うのはちょっと辛いよ」

先生の言葉に、私は嬉しくなった

「はい、私も同じ気持ちです」

「良かった」

先生が嬉しそうに笑顔を見せる

「僕が守るから。アキを守るからね」

「…はい」

「もう、怖い思いも辛い思いもさせないよ」

先生がぎゅうっと私を抱きしめた

『アキちゃん、私が必ず治してあげるからね。一緒に頑張ろう』

初めて会ったときの先生の言葉を想い出した

先生って、昔から私の王子様だったんだなあ…なんて思ってみる

私の病気を治してくれて、生きる楽しさを教えてくれた

今度は、私に愛を教えてくれて、世界に色をつけてくれた

誰かと一緒に歩む人生の幸福感を、私に教えてくれた


何年か後には…私も先生の奥さんみたいにベランダからモノを投げたりするようになるのかな?

< 354 / 507 >

この作品をシェア

pagetop