君を愛す ただ君を……
「実を言うと、昨日…そのことを確かめたいって思って電車を降りたんだ。聞くきっかけがつかめなくて、結局聞けず終いだったけどね」
越智君、知ってたんだ
録画の予約を忘れたなんて、嘘をついて
あたしは越智君から離れると、二人で肩を並べて歩き出した
「前の病院でね…15歳までしか生きられないって言われたの。それで、今の病院を教えてもらって、引っ越しをしてきたの。あたしの治療代とか、急な引っ越しや家の購入で…ウチ、すごく貧乏になっちゃって。車を売ったり…ママの実家の畑を売ったりして、あ、パパの大切にしてたバイクも売ったよ。迷惑をかけて生きてるのが、すごく苦痛だった。それも15で終わるって思ったんだけど…結局まだ生きてる」
あたしは少し前の地面を見つめながら歩いていると、ぎゅっと越智君が手を握ってきた
「生きててくれて、俺は嬉しい」
「ありがと。でもほんとにあたし、皆に迷惑をかけてばかりで…。金食い虫だし、親には心配かけてばかりだし…おかげで従兄まで監視役に来ちゃって」
「それだけ、涼宮には生きて欲しいんだよ。一日でも長く心臓が動いていて欲しいって思ってる。父に…手術を勧められなかった?」
「一度だけ…ね。でも断った。お金、かかるでしょ? これ以上、親の負担になりたくない。手術しても、成功の確率も低いって聞いたし」
越智君の手に力が入った
「お金の問題じゃないよ。生きるってことは、お金じゃないんだ。お金よりももっと大切で、貴重なんだ。だから…」
「越智君、いいの。あたし、手術は受けない」
怖いの
成功の確率が低いってことは、手術中に死んじゃう可能性もあるわけでしょ?
まだ死にたくない
もしかしたら…っていう低い可能性にしがみつけるほど、あたしは勇気がないよ
越智君、知ってたんだ
録画の予約を忘れたなんて、嘘をついて
あたしは越智君から離れると、二人で肩を並べて歩き出した
「前の病院でね…15歳までしか生きられないって言われたの。それで、今の病院を教えてもらって、引っ越しをしてきたの。あたしの治療代とか、急な引っ越しや家の購入で…ウチ、すごく貧乏になっちゃって。車を売ったり…ママの実家の畑を売ったりして、あ、パパの大切にしてたバイクも売ったよ。迷惑をかけて生きてるのが、すごく苦痛だった。それも15で終わるって思ったんだけど…結局まだ生きてる」
あたしは少し前の地面を見つめながら歩いていると、ぎゅっと越智君が手を握ってきた
「生きててくれて、俺は嬉しい」
「ありがと。でもほんとにあたし、皆に迷惑をかけてばかりで…。金食い虫だし、親には心配かけてばかりだし…おかげで従兄まで監視役に来ちゃって」
「それだけ、涼宮には生きて欲しいんだよ。一日でも長く心臓が動いていて欲しいって思ってる。父に…手術を勧められなかった?」
「一度だけ…ね。でも断った。お金、かかるでしょ? これ以上、親の負担になりたくない。手術しても、成功の確率も低いって聞いたし」
越智君の手に力が入った
「お金の問題じゃないよ。生きるってことは、お金じゃないんだ。お金よりももっと大切で、貴重なんだ。だから…」
「越智君、いいの。あたし、手術は受けない」
怖いの
成功の確率が低いってことは、手術中に死んじゃう可能性もあるわけでしょ?
まだ死にたくない
もしかしたら…っていう低い可能性にしがみつけるほど、あたしは勇気がないよ