君を愛す ただ君を……
桐沼さんとお店に来てから、1時間が過ぎた
あたしは、桐沼さんの隣から離れて、せっせと空いた皿やグラス、瓶ビールの回収に勤しんでいた
やらなくていいって言われたけど、じっとしているのは気がひけた
じっとしていも、ソワソワしちゃって
結局、ちょこちょこと動いていたほうが気が楽だし、飲み会の雰囲気がよくわかって楽しかった
「あ…えっと…何さんって呼べばいいのかな?」
数少ない女子の一人が、あたしに声をかけてきた
「永田です」
あたしは、女性にぺこっと頭をさげた
「私は佐久間です。それで、ビールの追加をお願いしていい? 下に行けば、おやっさんが教えてくれるから」
「はい」
あたしは靴を履いて、階段を下りた
「すみませーん。ビールの追加を…」
おやっさんって、店主でいいんだよね?
カウンターの中で料理をしている男性に向かって口を開いた
「あ、ライちゃんの彼女! そこからケースごと、持って行っていいから」
ケースごと?
あたしは黄色いケースに入っている瓶ビールを見つめた
「…て、大丈夫? 持てる?」
「あ…頑張ります」
「一年坊主は何してんだろうなあ。こういうのは、一年がやんのに」
おやっさんと思われる人がぶつくさと呟きながら、また料理の腕を動かし始めた
これを持つのか…大変そうだけど、持ってきてと言われたのに、持っていかないのを悪いし
あたしはケースに近づいて、深呼吸をした
取っ手に手をいれようと腰をかがめると、あたしより先にケースを持ち上げた人がいた
あれ?
「俺が持つから」
桐沼さんが、ケースを持ち上げると階段をさっさと登って行ってしまった
「さすがライちゃん!」
おやっさんが、ひゅーと口笛を吹いたのが聞こえた
あたしは、桐沼さんの隣から離れて、せっせと空いた皿やグラス、瓶ビールの回収に勤しんでいた
やらなくていいって言われたけど、じっとしているのは気がひけた
じっとしていも、ソワソワしちゃって
結局、ちょこちょこと動いていたほうが気が楽だし、飲み会の雰囲気がよくわかって楽しかった
「あ…えっと…何さんって呼べばいいのかな?」
数少ない女子の一人が、あたしに声をかけてきた
「永田です」
あたしは、女性にぺこっと頭をさげた
「私は佐久間です。それで、ビールの追加をお願いしていい? 下に行けば、おやっさんが教えてくれるから」
「はい」
あたしは靴を履いて、階段を下りた
「すみませーん。ビールの追加を…」
おやっさんって、店主でいいんだよね?
カウンターの中で料理をしている男性に向かって口を開いた
「あ、ライちゃんの彼女! そこからケースごと、持って行っていいから」
ケースごと?
あたしは黄色いケースに入っている瓶ビールを見つめた
「…て、大丈夫? 持てる?」
「あ…頑張ります」
「一年坊主は何してんだろうなあ。こういうのは、一年がやんのに」
おやっさんと思われる人がぶつくさと呟きながら、また料理の腕を動かし始めた
これを持つのか…大変そうだけど、持ってきてと言われたのに、持っていかないのを悪いし
あたしはケースに近づいて、深呼吸をした
取っ手に手をいれようと腰をかがめると、あたしより先にケースを持ち上げた人がいた
あれ?
「俺が持つから」
桐沼さんが、ケースを持ち上げると階段をさっさと登って行ってしまった
「さすがライちゃん!」
おやっさんが、ひゅーと口笛を吹いたのが聞こえた