君を愛す ただ君を……
決勝戦を終えて、インタビューを受ける

このテレビ中継を凛は見ていてくれてるのだろうか?

俺はそんなことを考えながら、インタビューに答えた

「おめでとう」

バスケットチームのオーナーである海堂さんが、試合が終わると声をかけてきてくれた

カメラのフラッシュが眩しくて、海堂さんの顔をよく見えない

だけど微笑んでいるのがわかった

手を差しのべられて俺は、握手をする

「ありがとうございます」

「怪我」

「はい?」

「病院」

「え?」

俺は単語で話されて、首を傾げた

「右足の怪我は平気か? 病院に行くといいって言ったの」

海堂さんの隣にいた女性が俺に教えてくれた

「あ…はい。地元に帰ったら、病院に行きます」

俺は海堂さんにぺこっと頭をさげた

海堂さんにはバレてたんだ

右足をかばって試合していたのを…

さすがだなあ

この人には何でもお見通しされている気がする

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