君を愛す ただ君を……
俺は地元の駅に到着すると、バスケのメンバーたちと別れて、タクシー乗り場に向かった
「桐沼君」
背後から呼びとめられて、俺は振り返ると、髪をばっさりと切り、茶色に染めた小原さんが大きな鞄を持って立っていた
「小原さん、旅行ですか?」
小原さんが首を左右に振った
「最後に君に会えて、良かった」
小原さんが寂しそうに笑った
最後?…ってことは、凛の旦那と別れたのか?
俺は生唾を飲み込んだ
もしかして凛は旦那とやり直すつもりでいるのだろうか
「君の言う通りね。辛いからって甘えちゃいけないのよ。よくわかった」
小原さんが、すっきりした顔を俺に向けた
「彼氏と別れたんですか?」
「ええ、きっぱりと。もうこの街を出て行こうと思って。ここにいたら、きっとまた圭のところに行ってしまうから。新しい場所で、頑張ってみようと思う」
「そうですか」
俺は小原さんに笑顔を見せた
凛はどうするのだろう
圭は、浮気相手に振られた
きっと旦那は凛のもとに戻っているはずだ
「圭ね…奥さんに離婚届を突き付けられたんだって。それで別れたくないって言って、もう私と別れるからって頭を下げたらしいの。それでも奥さんに拒まれたらしくて…私のところに来たの。それで、ああもう駄目だなって感じた。このままズルズル、付き合っても、私は幸せになれないなって」
凛が離婚届けを?
夫に?
それからどうなったんだ?
二人は離婚するのか?
「必ず幸せになりますよ」
「圭に黙って来ちゃったんだ。きっと今頃、驚いてるわ。それとも奥さんとうまくいったかしらね」
俺は小原さんに微笑むしかできなかった
できれば離婚していて欲しい
「桐沼君」
背後から呼びとめられて、俺は振り返ると、髪をばっさりと切り、茶色に染めた小原さんが大きな鞄を持って立っていた
「小原さん、旅行ですか?」
小原さんが首を左右に振った
「最後に君に会えて、良かった」
小原さんが寂しそうに笑った
最後?…ってことは、凛の旦那と別れたのか?
俺は生唾を飲み込んだ
もしかして凛は旦那とやり直すつもりでいるのだろうか
「君の言う通りね。辛いからって甘えちゃいけないのよ。よくわかった」
小原さんが、すっきりした顔を俺に向けた
「彼氏と別れたんですか?」
「ええ、きっぱりと。もうこの街を出て行こうと思って。ここにいたら、きっとまた圭のところに行ってしまうから。新しい場所で、頑張ってみようと思う」
「そうですか」
俺は小原さんに笑顔を見せた
凛はどうするのだろう
圭は、浮気相手に振られた
きっと旦那は凛のもとに戻っているはずだ
「圭ね…奥さんに離婚届を突き付けられたんだって。それで別れたくないって言って、もう私と別れるからって頭を下げたらしいの。それでも奥さんに拒まれたらしくて…私のところに来たの。それで、ああもう駄目だなって感じた。このままズルズル、付き合っても、私は幸せになれないなって」
凛が離婚届けを?
夫に?
それからどうなったんだ?
二人は離婚するのか?
「必ず幸せになりますよ」
「圭に黙って来ちゃったんだ。きっと今頃、驚いてるわ。それとも奥さんとうまくいったかしらね」
俺は小原さんに微笑むしかできなかった
できれば離婚していて欲しい