君を愛す ただ君を……
「いいって。気にすんな。俺も詩織が好きだったよ。いろいろあったけど、今もこうしてバスケを続けてるし」

詩織が頭をあげると、笑顔を見せてくれた

「大空君、ありがとう」

「詩織も幸せになれよ」

「うん。またこうして会えるかな?」

「それは…無理かな。ごめん。彼女が…怒るんだ、すげえ顔で」

俺が苦笑すると、詩織が視線を逸らした

「もしかして…マネージャの人?」

俺は振りかえると、体育館のドアから佐久間が怖い顔をして立っていた

「そ。怖いんだよなあ。俺の姉貴並み」

俺の言葉に、詩織がくすくすと肩を揺らしてわらった

「可愛いね」

「ああ、すげえ可愛い」

俺がにっこりと笑ってから、詩織と別れた

体育館に戻ってくるなり、佐久間の拳がわき腹に入った

「私、聞いてない」

「言ってないし」

「随分と楽しそうだった!」

「そうか? 俺は佐久間と一緒にいたほうが楽しいけど」

俺がにやっと笑うと、佐久間が顔を真っ赤にして嬉しそうに微笑んだ

「本当に?」

「俺の彼女だろ?」

俺の質問に佐久間がコクンと恥ずかしそうに頷いた

大学卒業まで1年ちょっと……佐久間ともっと仲良く過ごせるといいな

…て、その前に就職か…

まいったな、就職活動って面倒くせえかも





【番外編】制服の第二ボタン
        終わり
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