君を愛す ただ君を……
「おじいちゃんから聞いてるよ! ママと一緒に過ごしたいからって、親の反対を押し切って部活を始めちゃったって」

「…いいんだよっ。俺は」

「パパだけ特別なんて、許せなーい」

「我儘娘め!」

パパがあたしの肩に手を置くと、拳でこめかみをぐりぐりと押してきた

「やめてよぉ」

「…で、彩樹といつから付き合ってるんだよ」

「んー。1週間前かな。やっと『うん』って頷かせたんだから」

「なんだ。愛菜が押し倒したのか」

「だって彩樹は陸上とおばさんにしか興味がないんだもの」

「軽部先生…再婚もせずに一人で彩樹を育ててきたからな。二人の親子の絆は強いんだろ」

パパがにっこりと笑ってくれる

交際、許してくれるのかな?

「パパ…彩樹と結婚したい」

「はあ?」

パパの顔が歪んだ

「う、そ」

本当だけど

まだ付き合い初めて、少しだし…関係がもっと深くなったら、そういうのも考えたいよ

あたしも、ママみたいに愛される生活を送ってみたいんだ

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