君を愛す ただ君を……
「彩樹と三年、交際できたら…結婚を許してやってもいい」

パパが、あたしの頭をポンと叩いた

「三年もぉ?」

「まだ愛菜は学生だろ」

「そうだけど…」

「わがままは言うな」

「はいはい」

パパが、口を緩めるとあたしの髪をくしゃくしゃにした

「愛菜には恋愛はまだ先だ…って思ってたけど。考えてみたら、先じゃねえよな。パパも高校1年で陽菜に出会ってたわけだし。恋愛の一つや二つ…経験しててもおかしくないんだよな」

パパが遠い目をして、懐かしそうな表情になった

「ありがとう、パパ」

あたしがパパの腕にしがみつくと、パパの顔が赤くなった

「…別に、許したわけじゃないけど…」

小さな声でパパが呟く

「パパ、あたしね。一番はパパだよ。二番に彩樹。格好良くて、お医者さんなパパが大好きだから」

「…たく」

パパが、嬉しそうに微笑みながら、顔をそむけて、鼻頭を指先でぽりぽりを掻いた

本当だよ

あたし、パパもママも大好き

パパとママみたいな夫婦になるのが夢なんだ

若いころにはいろいろあったって、聞いてるけど…でもいろいろあっても、二人で生きていくその力が羨ましいよ

あたしも、彩樹と一緒に生きていくんだ

絶対に、幸せになる

パパみたいに、諦めない

だって、あたしはパパの子だもん

好きな人のためならどんな努力だって惜しまないよ

パパ、ママ…あたしを産んでくれてありがと!







【番外編】家族を愛す ただ家族を…
        終わり
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