君を愛す ただ君を……
「あ…じゃあ、あたしは支払いを済ませて、帰るから」
ソファの上にある鞄を掴むと、受付に行こうと足首を回転させて背を向けようとした
「待って」
越智君があたしの鞄を掴むと、呼びとめた
「え?」
「家まで送るって。それに俺が無理やり診察するように言ったんだし、金はいいよ」
「良くないよ!」
「いいって。別に親父、点数計算の用紙を出してなかっただろ?」
「精密検査の予約を入れただけ…かな?」
「なら、金はいらないよ」
越智君が、あたしの鞄を持つと、にっこりと笑って歩き出した
「でも…」
「いいんだって」
越智君が、首を左右に振った
「それより、検査…受ける気になってくれて俺、嬉しいよ」
あたしは越智君の隣を歩きながら、病院の床を見つめた
「越智君のお父様って、お話し上手だよね。なんか、あっという間に検査を受けるって話になってて、つい頷いてた」
あたしは「あはは」と乾いた笑い声をあげた
病院の自動ドアをくぐりぬけて、あたしたちは外に出る
駐車場にある歩道を歩き始めた
「患者には親身なんだ、親父。一人でも多くの人が、元気になって笑顔が見たいって」
「お医者様の鏡だね」
「まあね。医師として見るなら。父親として…とか、夫として…とか、だとちょっと物足りないけどね」
越智君が、苦笑いをした
ソファの上にある鞄を掴むと、受付に行こうと足首を回転させて背を向けようとした
「待って」
越智君があたしの鞄を掴むと、呼びとめた
「え?」
「家まで送るって。それに俺が無理やり診察するように言ったんだし、金はいいよ」
「良くないよ!」
「いいって。別に親父、点数計算の用紙を出してなかっただろ?」
「精密検査の予約を入れただけ…かな?」
「なら、金はいらないよ」
越智君が、あたしの鞄を持つと、にっこりと笑って歩き出した
「でも…」
「いいんだって」
越智君が、首を左右に振った
「それより、検査…受ける気になってくれて俺、嬉しいよ」
あたしは越智君の隣を歩きながら、病院の床を見つめた
「越智君のお父様って、お話し上手だよね。なんか、あっという間に検査を受けるって話になってて、つい頷いてた」
あたしは「あはは」と乾いた笑い声をあげた
病院の自動ドアをくぐりぬけて、あたしたちは外に出る
駐車場にある歩道を歩き始めた
「患者には親身なんだ、親父。一人でも多くの人が、元気になって笑顔が見たいって」
「お医者様の鏡だね」
「まあね。医師として見るなら。父親として…とか、夫として…とか、だとちょっと物足りないけどね」
越智君が、苦笑いをした