君を愛す ただ君を……
「そ…そんなぁ。あたし、越智君と付き合ってないよ」
あたしは、しぃちゃんの背中に向かって言葉を発した
「見た人がいるっていうのに、まだ知らないフリをするなんて、往生際の悪い女ねえ」
しいちゃんの机の前にいる女子が、腕を組むと呆れたように言った
往生際が悪いって言われても、付き合ってないもの
あたしは下を向くと、ぎゅっと拳を握りしめた
病院には言ってたけど、生理が来ないっていう理由じゃない
「女の友情って薄っぺらいって言うけど、本当なんだね」
聞き覚えのある低い声にあたしは、振り返った
白と黒のジャージ姿の大ちゃんが、教室の入り口に立って、こっちを見ていた
「岡崎先生?」
他の女子たちが声を合わせて口にする
しぃちゃんが、席を立つと、大ちゃんのほうにすたすたと歩いて行った
「涼宮さんには、もともと私にたいして友情なんてなかったんじゃないですか?」
大ちゃんの前で足を止めたしぃちゃんが、言葉にした
え? そんなぁ…
「あたしは……」
「最初から友情が芽生えてなかったのは、君のほうでしょ?」
大ちゃんが、冷たい視線でしぃちゃんを見下ろした
「え?」
「涼宮の話もロクに聞かず、噂に踊らされて。君は一体、涼宮のどこを見てきたの?」
「従兄だからって、あの子の味方するんですか?」
しぃちゃんがあたしを指でさした
「従兄だからって理由じゃない。陽菜の人となりを知っているからだ。それに、陽菜と越智が出てきた病院に、産婦人科はないよ。事実確認もしないうちから、他人を傷つけるなんて、失礼だと思わない?」
大ちゃんが、しぃちゃんを睨むと廊下に出て行った
『え? 産婦人科ないの?』
『じゃあ、何しに言ってたの?』
女子たちの囁きが聞こえてくる
あたしは鞄を持ったまま、唇を噛みしめて教室を飛び出した
あたしは、しぃちゃんの背中に向かって言葉を発した
「見た人がいるっていうのに、まだ知らないフリをするなんて、往生際の悪い女ねえ」
しいちゃんの机の前にいる女子が、腕を組むと呆れたように言った
往生際が悪いって言われても、付き合ってないもの
あたしは下を向くと、ぎゅっと拳を握りしめた
病院には言ってたけど、生理が来ないっていう理由じゃない
「女の友情って薄っぺらいって言うけど、本当なんだね」
聞き覚えのある低い声にあたしは、振り返った
白と黒のジャージ姿の大ちゃんが、教室の入り口に立って、こっちを見ていた
「岡崎先生?」
他の女子たちが声を合わせて口にする
しぃちゃんが、席を立つと、大ちゃんのほうにすたすたと歩いて行った
「涼宮さんには、もともと私にたいして友情なんてなかったんじゃないですか?」
大ちゃんの前で足を止めたしぃちゃんが、言葉にした
え? そんなぁ…
「あたしは……」
「最初から友情が芽生えてなかったのは、君のほうでしょ?」
大ちゃんが、冷たい視線でしぃちゃんを見下ろした
「え?」
「涼宮の話もロクに聞かず、噂に踊らされて。君は一体、涼宮のどこを見てきたの?」
「従兄だからって、あの子の味方するんですか?」
しぃちゃんがあたしを指でさした
「従兄だからって理由じゃない。陽菜の人となりを知っているからだ。それに、陽菜と越智が出てきた病院に、産婦人科はないよ。事実確認もしないうちから、他人を傷つけるなんて、失礼だと思わない?」
大ちゃんが、しぃちゃんを睨むと廊下に出て行った
『え? 産婦人科ないの?』
『じゃあ、何しに言ってたの?』
女子たちの囁きが聞こえてくる
あたしは鞄を持ったまま、唇を噛みしめて教室を飛び出した