君を愛す ただ君を……
「参ったな。先生の一言が無ければ、たぶん、しぃの言葉を鵜呑みしていた。本当に己にとって良い展開だったのなら、言葉にするはずがない。あれは、俺に気付かせるために言ったんだ」
「気づいてもらえて良かった。じゃなかったら、越智に陽菜を譲らないって思ってたところだったし」
越智君が、軽く首を横に振りながら、苦笑いをした
「先生は損な性格だよ。最後の最後で、強気に出ないんだからさ。俺、ほんとに涼宮を貰うよ?」
「二人が想い合ってるのを知っていて、間に割って入るほど、僕は強い人間じゃないよ。自信家でもないしね。ただ、陽菜が辛い想いをしたときは、容赦なく君から陽菜を離すよ。それくらいは僕にだってできる」
「泣かせないよう努力します」
「すでに泣いたけど?」
大ちゃんの言葉に、『うっ』と越智君の声が詰まった
「悲しませないように頑張ります」
越智君が、ぺこっと頭を下げた
「…てことだから、陽菜も越智に甘えるといい」
大ちゃんが横を向いて、あたしに微笑んできた
「え? は?」
あたしは驚いて、大ちゃんと越智君の顔を交互に見やった
「何が? え? どういうこと?」
二人の会話に思いっきりついていけてないあたしは、二人の笑顔が不気味に感じた
「越智と付き合えってこと」
大ちゃんが、あたしの背中を押した
あたしは階段の段差に足を躓かせて、越智君の胸の中にすっぽりと埋まった
越智君が両手であたしの身体を受け止めると、ぎゅうっと肩を抱きしめてくる
「え? でも…しぃちゃんは?」
越智君の胸の中で、あたしは質問をする
「そうだなあ。確かに、きちんと清算しておいてもらわないと?」
大ちゃんの声が背後から聞こえてくる
「もちろんです。しぃには、俺からしっかりと話をさせてもらいます」
「まあ、当たり前の行為だな。また今日みたいなことがあったら、辛い思いをするのは陽菜なんだから」
大ちゃんがポンポンと越智君の肩を叩く振動が、あたしの上半身にも伝わってきた
越智君の胸の中で、大ちゃんが遠ざかっていく足音をあたしは聞いた
「気づいてもらえて良かった。じゃなかったら、越智に陽菜を譲らないって思ってたところだったし」
越智君が、軽く首を横に振りながら、苦笑いをした
「先生は損な性格だよ。最後の最後で、強気に出ないんだからさ。俺、ほんとに涼宮を貰うよ?」
「二人が想い合ってるのを知っていて、間に割って入るほど、僕は強い人間じゃないよ。自信家でもないしね。ただ、陽菜が辛い想いをしたときは、容赦なく君から陽菜を離すよ。それくらいは僕にだってできる」
「泣かせないよう努力します」
「すでに泣いたけど?」
大ちゃんの言葉に、『うっ』と越智君の声が詰まった
「悲しませないように頑張ります」
越智君が、ぺこっと頭を下げた
「…てことだから、陽菜も越智に甘えるといい」
大ちゃんが横を向いて、あたしに微笑んできた
「え? は?」
あたしは驚いて、大ちゃんと越智君の顔を交互に見やった
「何が? え? どういうこと?」
二人の会話に思いっきりついていけてないあたしは、二人の笑顔が不気味に感じた
「越智と付き合えってこと」
大ちゃんが、あたしの背中を押した
あたしは階段の段差に足を躓かせて、越智君の胸の中にすっぽりと埋まった
越智君が両手であたしの身体を受け止めると、ぎゅうっと肩を抱きしめてくる
「え? でも…しぃちゃんは?」
越智君の胸の中で、あたしは質問をする
「そうだなあ。確かに、きちんと清算しておいてもらわないと?」
大ちゃんの声が背後から聞こえてくる
「もちろんです。しぃには、俺からしっかりと話をさせてもらいます」
「まあ、当たり前の行為だな。また今日みたいなことがあったら、辛い思いをするのは陽菜なんだから」
大ちゃんがポンポンと越智君の肩を叩く振動が、あたしの上半身にも伝わってきた
越智君の胸の中で、大ちゃんが遠ざかっていく足音をあたしは聞いた