君を愛す ただ君を……
「今度は私を悪者にしたいわけ?」
しぃちゃんが額に手を当てると、「はあ」っとため息をついた
「そういうことじゃないだろ。俺が…俺自身が、このままの状態が嫌だと言ってるんだ。涼宮を好きなのに、恋人の友人として接するのが苦しんだよ。それに友人の彼氏として涼宮に、適度な距離を開けられて接せられるのが嫌なんだよ」
越智君が、しぃちゃんから視線をそらした
「そういうことだから。涼宮には何の非もないんだ。彼女を苦しめないでくれ」
越智君が、くるっとしぃちゃんに背を向けると、教室を出て行こうとした
「ちょ…病院は? 昨日、二人で病院に行ったって」
しぃちゃんが、大きな声で越智君を呼びとめた
あ…あれは、どうしよう
心臓に疾患があることは、大ちゃんと越智君以外は知らないのに
越智君が、顔だけ振り返ると、しぃちゃんの今にも泣き出しそうな顔を見つめた
「ランニング中に、俺が足を捻ったんだ。それで、陸上部のマネである涼宮に病院に付き添ってもらった。他に何か、聞きたいことは?」
越智君の冷たい言葉に、しぃちゃんは首を横に振った
越智君が教室を出ていくなり、しぃちゃんが膝から床に落ちると、声をあげて泣き始めた
「しぃちゃん」
あたしは、しぃちゃんに近寄ろうと席を立つ
「来ないで! あんたなんか嫌いよ。私に恥をかかせるように、愁に頼んだんでしょ?」
「ちが…あたしは何も」
クラスの女子数人が、しぃちゃんを守るように囲むと、あたしを睨んできた
「最低ね。しぃを苦しめて、何が楽しいのよ」
しぃちゃんの肩を抱き抱えながら、数人の女子が教室を出て行った
「待って。あたし…」
あたしはがっくりと肩を落とすと、自分の机に戻ろうとした
「ねえっ! 越智君に告白されたって本当? いつ?」
目をキラキラさせて答えを待っているクラスメートが一人、あたしの肩を叩いた
「え? あ、入学してすぐの頃」
「振っちゃったって本当?」
「うん」
あたしがコクンと頷くと、女子が『キャー』と叫びながら、ぴょんぴょんと飛び跳ねた
しぃちゃんが額に手を当てると、「はあ」っとため息をついた
「そういうことじゃないだろ。俺が…俺自身が、このままの状態が嫌だと言ってるんだ。涼宮を好きなのに、恋人の友人として接するのが苦しんだよ。それに友人の彼氏として涼宮に、適度な距離を開けられて接せられるのが嫌なんだよ」
越智君が、しぃちゃんから視線をそらした
「そういうことだから。涼宮には何の非もないんだ。彼女を苦しめないでくれ」
越智君が、くるっとしぃちゃんに背を向けると、教室を出て行こうとした
「ちょ…病院は? 昨日、二人で病院に行ったって」
しぃちゃんが、大きな声で越智君を呼びとめた
あ…あれは、どうしよう
心臓に疾患があることは、大ちゃんと越智君以外は知らないのに
越智君が、顔だけ振り返ると、しぃちゃんの今にも泣き出しそうな顔を見つめた
「ランニング中に、俺が足を捻ったんだ。それで、陸上部のマネである涼宮に病院に付き添ってもらった。他に何か、聞きたいことは?」
越智君の冷たい言葉に、しぃちゃんは首を横に振った
越智君が教室を出ていくなり、しぃちゃんが膝から床に落ちると、声をあげて泣き始めた
「しぃちゃん」
あたしは、しぃちゃんに近寄ろうと席を立つ
「来ないで! あんたなんか嫌いよ。私に恥をかかせるように、愁に頼んだんでしょ?」
「ちが…あたしは何も」
クラスの女子数人が、しぃちゃんを守るように囲むと、あたしを睨んできた
「最低ね。しぃを苦しめて、何が楽しいのよ」
しぃちゃんの肩を抱き抱えながら、数人の女子が教室を出て行った
「待って。あたし…」
あたしはがっくりと肩を落とすと、自分の机に戻ろうとした
「ねえっ! 越智君に告白されたって本当? いつ?」
目をキラキラさせて答えを待っているクラスメートが一人、あたしの肩を叩いた
「え? あ、入学してすぐの頃」
「振っちゃったって本当?」
「うん」
あたしがコクンと頷くと、女子が『キャー』と叫びながら、ぴょんぴょんと飛び跳ねた