君を愛す ただ君を……
越智君が、穏やかな表情で微笑むとあたしの手を握ってくれた

「入院はいつから?」

「2学期の修了式が終わったら、すぐに入院するの。クリスマスイブに手術だって」

あたしは、越智君の横顔を見ながら口を開いた

「退院したら、少し遅いクリスマスでもしようか」

「そうだねえ」

「何がしたい?」

「うーん。美味しい料理が食べたい!」

「わかった」

越智君が、遠い目をしながら頷いた

どこに行こうか考えてくれているのだろうか?

「他には何かある?」

「わかんない。入院中に考えておくね」

あたしはぎゅっと越智君の手を強く握りしめた

「実はね。手術、怖いの。死んじゃう可能性もあるって聞いたから。手術が終わって、最初に越智君の顔が見たいよ」

「手術が終わったら、ずっと涼宮の傍にいるよ」

越智君が優しい声で、言ってくれた

嬉しいよ

手術が終わって、最初に越智君が目に入ったら、生きてるんだって思えるでしょ?

成功したんだって嬉しくなるでしょ

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