Pride
次の日、あたしは美佳に転校する事を告げた。
「え!引越し?」
「うん、来月にね…」
「やだぁ…あたしやだよう」
「ごめんね、ごめんね」
美佳はあたしと離れたくない、と言って泣いてくれた。
あたしも美佳とは離れたくない。
『ごめんね』
『電話するし、メールもする』
『手紙なんかもいいかも』
そう言いながらいつしかあたしも泣いていた。
…なんかこの頃泣いてばっかりだな。
やがて美佳は涙をこらえながらあたしを見つめ
「颯太君に言った?」
「…言ってないよ」
「言わないの?」
「うん…」
颯太には言わない。
お母さんにも口止めしといた。