Pride


次の日、あたしは美佳に転校する事を告げた。




「え!引越し?」


「うん、来月にね…」


「やだぁ…あたしやだよう」


「ごめんね、ごめんね」


美佳はあたしと離れたくない、と言って泣いてくれた。

あたしも美佳とは離れたくない。


『ごめんね』
『電話するし、メールもする』
『手紙なんかもいいかも』


そう言いながらいつしかあたしも泣いていた。

…なんかこの頃泣いてばっかりだな。


やがて美佳は涙をこらえながらあたしを見つめ



「颯太君に言った?」


「…言ってないよ」


「言わないの?」


「うん…」



颯太には言わない。

お母さんにも口止めしといた。

< 15 / 28 >

この作品をシェア

pagetop