Pride


「颯太ー!起きて!!」

「うーん、もうちょっと…」


「起きろっ!!」


あたしは布団をはがし、颯太をベッドから引きずりおろした。

颯太はやっと夢から覚めた様子で頭をポリポリかきながら私を見上げた。


「ふぁぁ…
お前もっと優しく起こせよ」


「ふんっ、知らん。起きないあんたが悪い」


「へいへい。じゃあ出てってね。俺着替えるから」


起こしてあげたのに、颯太はもうそんなこと言ってる。
……別にいいけどね。




「お前、昨日の宿題やった?」


登校中、颯太は制服のネクタイを緩めながら聞いてきた。


「やったよ。…でも見せないから」


あたしは最初の釘を刺しておいた。
案の定颯太は『ちぇー』なんて言ってる。



これが毎日の光景。

あたしの日常。



―――――ずっと、ずっと

続くと思ってた。



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