Pride
「ずっと好きだった…」
搾り出すような声であたしは言った。
「うん」
「本当はずっと、ずっと小さい頃から…」
「うん」
ああ…また泣いちゃった。
もう出ないと思ったのに。
簡単に涙腺は緩んで…涙が零れ落ちる。
「好きだから…離れたかったの」
「うん」
「好きだから…もう汚い気持ちになんかなりたくなかったの」
あの日からあたしはどんどん醜い気持ちに押しつぶされそうだった。
由希ちゃんに対する
妬み
恨み
嫌悪感
颯太に対する
怒り
裏切り
失恋
あたしがあたしじゃなくなるようで
恐かった。