Pride
「さやかは俺にとって、とっても大切な存在。
いなきゃいけない。幸せになってほしい。不幸になるところなんて見たくない。
そう思うのはさやかだけだよ」
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
「でも、幸せにしたい、と思うのは由希なんだ」
真っ直ぐに、偽りのない言葉をあたしにそのままぶつけてくれた。
「颯太は由希ちゃんのこと…好き?」
「うん」
「一番?」
「うん…ごめんな」
「謝らないでよ、颯太は颯太の気持ちを言っただけなんだから」
そうだよ。
みんな自分の気持ちに正直なだけ。
颯太だって、由希ちゃんだって。
好きな人に『好き』と言っただけ。
それだけのこと。