Pride


「ねぇ、颯太?わがまま言っていい?」


「なに?」


「抱きしめて欲しいの。力いっぱい。」


あたしがそういうと少しためらったそぶりを見せた。

あたしはやっぱりダメか…と思い、


「やっぱり、いい…」


ふわっと、颯太の香りがした。


背中には颯太の手が。

目の前には颯太の肩が。



鼓動が速まる。

胸が熱くなる。


あたしはおずおずと颯太の背中に腕を回した。


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