Pride
「ま!その前に、颯太が我慢しきれなくてあたしに会いに来るかもね」
「そんなわけねーだろ」
颯太はあたしの言葉を聞いて安心した様子。
「じゃあ…あたしもう行くね…」
「あ、引き止めてごめんな」
「ううん、来てくれて嬉しかった」
「またね」
「またな」
颯太に背を向けて歩き出す。
少しずつ、少しずつ二人の距離が開いていく。
「さやか!!」
後ろから颯太の叫び声。
あたしは振り向く。
「絶対!会いに来いよ!」
「うん、うん!会いに行くよ!!」
ねぇ、颯太?
あんた気づいてる?
あんた…
泣いてるよ。