Pride


「あっ!そうそう、俺今日一緒に帰れねぇや。てかこれから」


「え?なんで」



…何、突然。


「俺、彼女できちゃったー!!」



――――一瞬、心臓が凍りついた。


え…


……何を、何を言ってるの?

今あたしの目の前で満面の笑みを浮かべるこの人は、

何を言った?


「彼女…?」


「おう、昨日隣のクラスの由希ちゃんに告られちゃってー!OKしちゃった」


颯太はあたしの今の状況に全く気づいていない。


ねぇ?

あたしの声が震えているの気づいてないの?



颯太は聞いてもいないのに、笑顔でその時の事を鮮明に語ってきた。






――『実は気になってたんだ』


――『真っ赤な顔してて、かわいかった』


――『気づいたらOKしてた』




……………




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