Pride


ひたすら必死に颯太の話に頷いて、笑顔をつくって、『良かったね』と言って。



気づいたら自分の席に座っていた。







「さやかー?どうした?元気ないぞ?」


親友の美佳があたしの様子に気づいたのか心配そうな顔であたしの顔を覘いてきた。




「…失恋…したみたい」


「え…?」


「颯太…彼女できたんだって」


あたしは力なく言った。


「彼女って…」


「となりのクラスの由希ちゃん。昨日告られたらしいよ」


『ははは』と苦笑いしながら言った。


美佳はそんなあたしを見て、あたしと同じ顔になった。


『よしよし』と言いながら頭を撫でてくれた。






涙が零れ落ちそうだった。

でも、まだ泣きたくない。


まだあたしは認めたくない。


二人が、付き合っていることを。



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