みんな空の下


「…」


そして何故かみんなの視線は私へ。

あぁ、もう自己紹介とか面倒くさいな。


「なーなーみぃー!」


小声で、斜め向かいに座る太陽に軽く睨まれながらも私の気持ちは変わらず。

でも、テーブルの下で太陽が臑を攻撃してくるから、仕方なく…重たい口を開かせた。


「…。菊地、七海です」


自己紹介。って言っても、名前だけど。

実質私の事を、女子は全員私を知ってるし、太陽だって、マコちゃんだって知ってる。
宝城さんだけに挨拶してるようなものじゃん。
ホント、だるいなぁ。


耳を触りながら、真向かいにいる宝城さんの目をしっかりと見つめて挨拶をした。


宝城さんはふわって感じで、ニコニコしてて、愛想のいい人。

私とは正反対の人。


白い綺麗な肌。
二重の大きな目に、長い睫毛。
口角の上がった薄い唇。
ふわふわの茶色の髪。

本当にあなたは男の子ですか?
って思うくらい、宝城さんは綺麗な顔をしていた。
< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop