闇の音




爽ちゃんは

何も答えない私にそっと口づける


感触を確かめるように

やさしく



その時
思わず爽ちゃんを拒んでしまう



爽ちゃんは驚いて私を見つめる


「ごめんなさい。やっと私を見つけてくれたのに。もう私はあの頃の私じゃないの。私は…爽ちゃんを待てなかった。信じて待っていられなかったんだよ…」


「だからなんだよ、もうおまえはおまえじゃないのか?」


私が私じゃない―…?


「もう俺を好きじゃないのか?」


爽ちゃんをスキジャナイ?


「もう俺のために苦労するのは嫌なのか?」


爽ちゃんのため苦労が 嫌―…?



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