クレーン・ゲーム
「お客さん、終電ですよ」

僕は車掌に起こされた。
またやってしまった、どうも、休日の前日となると気が抜けてしまう。

「最近、神隠しの事件が多くて物騒だから、気をつけて帰ってな」
車掌は親切にも僕を起こして駅の外まで連れていってくれた。

あたりはもう暗く、誰も歩いていない。

こうしてすごしてきてどれくらい経つだろうか。

また、あの時の奇妙なことを思い出してしまう。
僕は、あの駅に取り残されるのが嫌で、引越してしまったのだが、どうもあの模型は、捨ててはいけないような気がして、まだ手元に残してある。


僕は、ビジネスホテルにチェックインした。

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