クレーン・ゲーム
「まさかとは思いますが、
このクレーンというのは、あなたの想像上
の存在にすぎないのではないのでしょうか。
もしそうだとしましたら、あなたが病気で
あることに間違いないと思います」

「ちがう!僕は病気じゃない!」
気がつくと、僕は机の上をぎぃぎぃと
音を発しながら、行ったり来たりしていた

「ぱぱー、ありがとう」
にっこりと、僕のほうをみて微笑む、
大きな少女がいた。

僕は、この少女が背中のぜんまいを
巻かないかぎり、動けない間は、
夢を見ていられるのだろう。

はやくぜんまいがきれないか、
まちどおしくなった。


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